17歳の遺書
美帆side


ゆうはすぐに私のところに寄ってきて、
私の涙を拭ってくれた。








『美帆、どうしたの?なにかされた?
誰かに意地悪されたの??』







私を見つめて優しく聞くゆう。



どれもこれも全部ゆうに甘えてて、
今もほら、ゆうに甘えてる.....


ゆうは約束通りわたしのヒーローになってくれたのに、私はなにも出来てない。










何か言わなきゃっ、と思ったこのときやっぱり口からこぼれ出てしまうのは、本音で、、、、


『私、ゆうに甘えてばっかりで、いつも迷惑かけて、頼ってばっかりで、なに一つ前と変わらないの。私は、私は、ゆうのちからになれてる?』







『美帆は、俺のこと良く考えてくれるじゃん。それだれで、十分ちからになってるよ。』




優しく言うゆうにはまた叶わなくて、
いつもいつもあたたかい気持ちになる。






『ゆうのことは誰よりも想ってるよ。
だけど..甘えてばかりだから、頼ってばかりだから、ゆうもこんな彼女じゃ嫌でしょ?重たくて、、、』








『男は頼られてなんぼだから。それだけ俺を信頼して、想ってくれてるのに重たいなんて思ったことないよ。』





やっぱりゆうはこんなに優しいセリフをさらっと言って、でも、耳は真っ赤かで
そこにまた可愛らしさを感じる。





『ゆう、大好き。』
思わず口からでた言葉。
小さくて聞こえないような声なのに、




こうゆうのだけは耳がいいみたいで..



ゆうは、わたしの耳元でささやく。
『俺も、好き。大好き。』




とろけるほど甘々な言葉なのに、
耳元で聞くゆうのこえはいつもよりすこし低くて大人の色気までそれに加えて溶け出していた。






今日はやっぱり幸せだ。




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