秘密な約束〜強気彼氏の悪魔な選択!?〜
美優も俺に続いて入ろうと足を上げる。

…と思ったらすぐに足を下ろして俺の顔を見た。



入る所見るなって事ね。



俺は顔を伏せて美優が入ったのを薄目を開けて確認してから向かい合わせに座った美優の顔を見た。



「…結構お湯熱いね…」


「俺、熱いお湯好きだから調度良い」



「親父やん」


…親父とか言われたの初めてだし…。


俺はしれっとした顔で美優の顔にお湯をかけた。


「ひゃっ!…酷い!」


お湯のかかった場所を濡れた手で拭く。


「ちゃんとタオル取ったんだ。偉い、偉い」


「うっ…うるさい!」


「……なんかさっきから突っ掛かるね」


「そんな事無いよ…」



高級な部屋にしたお陰で風呂がデカすぎて思っていた程の密着感が無い。



「だったらもっとこっちに来いよ」



「嫌だ!」


「…何で?」


「無理だから」


「お前さっきから嫌とか無理ばっかり…つまらん」


俺はわざと拗ねた振りをしてみる。



「ゴメン…だって恥ずかしいんだもん…」


そう言いながら俺の傍に寄ってきた。



目、合わせてくんねぇし。




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