秘密な約束〜強気彼氏の悪魔な選択!?〜
「…お大事に」


顔だけ、こちらを向けそう言うと病室から出て行った。



あんな悲しそうな顔で言われ良心がチクりと痛んだ。



「…あいつ、お前に惚れてんな」



閉まった扉を見つめたまま光城が言った。



…何で分かったの?



「そう…かなぁ?」


「演技相変わらず下手だな。そんなんで主演務まるのかよ」


永山シュウから貰った花束を光城に奪われた。


「う…何で光城には嘘が通用しないんだろう…」



俯きながら、寂しくなった両手でモジモジする。



「そりゃあ、好きだからじゃね?」



花瓶を探しているのか、私に背を向けたまま光城は答えた。



…好きだから…。


「まっ…まだ好きで居てくれてんだ?」


上擦った声に、自分で恥ずかしくなる。



「当たり前だっつーの!じゃないとキスなんかしないし。ってか来ないし!」


棚から花瓶を見付け、水道から水を入れる。



「ふっ…フーン…」



嬉しさを隠しきれない私は顔がニヤニヤし始める。




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