二人の男…
「明」は、翔の親友だった。
翔とは、小学校からの同級生だと言っていた。

きっと、私なんかがこの2人の仲を崩しちゃいけない!!

私は、この前の告白を無かった事にしてもらおうと、翔に連絡をとった。

コールが何度か鳴った後に、翔が驚いたかの様な声で

「…はい。もしもし」
と言った。

私は
『話したい事があるから、今夜会えない?』
と、毅然とした様に聞く。

「あ~、うん。俺も話したい事があったし…少し遅くなっても構わないかなぁ!?」

『大丈夫!!待ってる…それじゃ。』


私は、自分の気持ちを圧し殺して短い電話を終えた…




夜11時すぎ、
「家の前に着いたよ…」
翔から連絡がきた。

アパートの階段を下りると、スーツ姿のままの翔が缶コーヒーを二つ持って立っていた。

「どっちがいい?」
翔が私の前に出してきた手には、暖かいカフェオレとブラックコーヒーが並んでいた。


『じゃあ、カフェオレ…』

「だと思った!!」

気まずい雰囲気が、少し和んだ。

最初に口を開いたのは、翔だった…

「考えさせて…って言っておいて、連絡しなくてゴメン。」

『その事だけど…もういいよ。迷惑だったよね!?』


「いや、俺もお前の事好きだから。迷惑だんて思ってないし。」

『私たち…友達のままでいよう!!』
心の中で、想いをたち切ろうとした。


その時…


私はふわっと、何かに包まれた。

最初は何が行ったのか分からなかったが、

翔の真剣な顔を見上げて…思った。

『本気なんだ…』と、



「オレこの前、明に瑠奈の事好きだからっていったよ!!」

『えっ!?』
私は驚いて、もう一度翔を見上げた…

「あいつも、お前の事好きだったからさ…友達終わる覚悟で言ったんだケド、あいつ…俺に 頑張れよ!! って言うんだよ…。 『瑠奈は、オマエの事が好きなんだろ!? じゃあ、オレがどうこうするもんでもねぇ。』って…」

「なぁ、改めて言うけど…オレら付き合おう!!」



私の知らないところで、2人がそんな駆け引きをしてたなんて…

私は、翔の腕の中で

コクン…と、うなずいた。

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