ただ恋愛を、間違えただけ。
………足音がこっちに近づいてくる。
声もそれと同じように大きくなる。
『…………待って!拓真!!』
ドキッ…と心臓が跳ねる。
拓真?なに?香月がいるの?
じゃあ、この声は……
「………湯川ちゃん?」
ってこと?
確かこの声は…そうだったけど……?
今度は香月と湯川ちゃん本人が近くに来た。
……あたしには気付いてない。
ぐいっと湯川ちゃんが香月の腕を引いた。
……見たくない。そんなの。
『拓真ってばー』
…………もう無理だわ。
あたしは静かにまた、ドアを閉めた。
香月が何かを言おうとしてたのを、
聞きたくなくて。
『××××××××××××××××』