ただ恋愛を、間違えただけ。
(……泣きたい)
泣けない、こんなところで。
『……羽柴?お前元気無くね?』
香月があたしの顔を覗く。
……誰の所為よ。
「別に、元気だし」
『嘘つけよ、元気無いじゃん』
………うっさい。
あんたに、告白出来なくて。
しかも、失恋までしたから元気無いんじゃん。
そんなこと思って目線をそらすと、
香月はあたしの髪をぐしゃっとした。
「えっ、ちょっ……!」
『お前は、元気じゃねぇとお前らしくない』
そんなことを言って、
あたしの好きなその笑顔を浮かべる。