『土方大明神』
月明かりの中浅葱誠が逃げてきた道を突き進む土方となのる男性の背中をおいかけて先程の近藤珠希がいた場所に戻った。
「―――あの娘……。
どうやら連れ去られたようだな!!」
吹き抜ける風が落ち葉を吹き上げる以外の開けた景色に誠はひとしきりなにか痕跡がないかをさがす。
するて誠の目前にいきなり日本刀の先端が突きつけられた。
「てめえ…。
男のくせに娘一人も守れねぇとは…笑止千万呆れてものもいえぬわ!!」
「土方大明神様の…怒りはごもっともでしょうけど一体何がおきてるのやら……!!」
更に深く刀の先端を鼻に突きつけられたらさすがに口をつぐんだ。