『土方大明神』


ビュッ…と冷たく刺さる風が彼女の背中を横切ると同時に前方を照らす懐中電灯の明かりに黒い不気味な影が横切ったように見えて女の子は慌てて背後を振り返った。


懐中電灯をもつ手すらもガクガクと揺れているのが照らされている方向からもわかる。



背後に何もいない事を確かめ急いで出入り口へと走った時だった…。


何かがいきなり長い女の子の黒髪にまきつく。



「「―――えっ………!!!
嫌だ…なにこれっ……!!」



慌ててふためく女の子は急いで髪の毛が巻きついた先を確認すると…倉庫の2階部分から何者かが髪を引きよせていた。
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