『土方大明神』
それは…はるかに確かな不気味な声が背後で生々しく聞こえてくる。
―――た……助けて………!!!!
宙吊りされて毒々しい得体の知れぬ背後に潜む『コテツ』に含まれた意味が恐怖をしめあわせてくる。
―――コテツ‥‥!!
「「「や‥やめ‥‥‥てぇ―――――!!!」」」
恐怖で汗ばみ涙で視界が一瞬ぐらついた!!!
―――ザシュッ……!!!!
身体が重力を取り戻しいきなり降下する。
「「「ハアハアハアハア‥‥‥‥‥。」」
暗闇の中に小さく微かに吐息をもらし女の子は涙でにじむ意識の中に景色を留めた。