『土方大明神』


「「浅葱くん… 持ちこたえて!?」」


倒れこむ化け物の下からいつの間にか化け物と浅葱誠の間にしゃがみこむ近藤珠樹の姿が微かに目に飛び込み思わず倒れこむ化け物の肩を支えると次は熱風がふきぬけた。



「「「「ぎゃあああああっっーーー!!―」」」


地を這うような断末魔が夜空に響き空中を緋色の液体のしぶきが飛び交うなか、名刀…和泉守兼定をかまえ影のような物体を切り裂いた。


何が起こっているかわからないほど…それは早く気がつくと断末魔をあげた物体は浅葱誠と化け物の間を引き剥がして通り抜け真ん中に腰をついていた近藤珠樹を無理矢理長い爪で引っ掻いた。






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