蜜月クライシス!【BL】
「……っ、それならそれで良いんだ。けど──」
「俺も咲都も神宮くんも、お前の成績が神憑り的に飛躍するとは思ってないよ。でも、今のままじゃ確実にお前と神宮くんは来年別々のクラスになる」
清泉学園では、成績によってクラス分けが決まる。
学年首席の春親が学年最下位を争う彰那と同じクラスに居るという状況がそもそもおかしいのだ。
熱に浮かされた状態で春親が入試を受けなければ、今の彰那との関係も築けなかったかもしれない。
そのことを思うと、彰那も文句が言えなくなる。
直接的に春親から言われたことは無いが、彰那自身時々気にはしていた。
「無理だって分かってても諦めない神宮くんの気持ち分かってやれよ」
「……てめぇに言われなくても分かってんだよ」
「分かってるなら勉強に励みたまえ。俺は咲都のところに行く」
そう言い切って、晶は彰那に手を差し出す。
「なんだよ」
「写真」
少し不貞腐れた表情の彰那は、渋々といった感じで携帯を操作して晶に写真を送った。
届いたメールに顔を緩ませる晶の後に着いて、彰那は少し重い足取りで部屋に向かった。