クールなキミとの恋模様
隠した気持ち
高二の春。
満開だった桜が散って、五月の新緑が顔を出し始めた。
すっかり春らしくなって、気分も上々。
新しいクラスにも馴染んで、ようやくクラスメートの顔を覚え始めた今日この頃。
午前中の授業が終わって、いつものように仲良し三人組で学食に向かって歩いていた。
お腹空いたな〜!
今日は何を食べよう。
「で、どうだった?今日の彼は」
「そうそう!真央(まお)も聞きたかったんだぁ」
ふたりはニンマリしながら、真ん中にいるあたしの顔を覗き込んだ。
左側にいるのが、オレンジの髪のふわふわボブがよく似合う背が低くて小柄な真央。
クリッとしたパッチリな目が印象的で、人懐っこい性格をしてる。
後ろをちょこまかついて来る姿は愛くるしくて、女子のあたしでもキュンとしちゃう。
メイクもバッチリしてるけど、女の子らしいナチュラルメイク。
グロスで艶めく唇がプルンとしていて、女子力高め。
オシャレにも敏感で、雑誌を見ては流行りのものをチェックして取り入れている。
仕草もいちいち可愛いし、男ウケするような態度を雑誌で研究してるんだとか。
きっと真央みたいな子を、女の中の女っていうんだろう。
よくモテるし、よく告られている。