クールなキミとの恋模様


本当は……あたしは。


あたしは……。


唇をギュッと結ぶ。


これ以上、何も考えたくない。



「また前みたいに三人で遊びに行こうな」



あたしの気持ちを知らないしんちゃんは、そんなことを平気で口にする。


胸が締めつけられて、うまく息が吸えない。


しんちゃんの一番は彼女の美雨で、ふたりでいてもあたしのことなんて思い出したりはしないんだよね。


当たり前だよ。


しんちゃんは美雨のことが好きなんだもん。


こうやって会話の中に出てくるっていうことは、今もうまくいっているわけで。


あたしが付け入る隙なんて微塵もないことを思い知らされた。



でもさー。


美雨のことばっかり言わないでよ。


あたしのことも……少しは気にしてよ。



「ふたりの邪魔は出来ないから遠慮しとくよ!」



冗談っぽく笑いながらそう口にする。



だって、うまくいってるんでしょ?


幸せなんでしょ?


美雨のことが、大好きなんでしょ?




知らなかったんだよ、あたし。


ふたりが両想いだったってこと。


付き合うことになったって聞いて、そこで初めてしんちゃんの気持ちと美雨の気持ちを知ったんだ。


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