クールなキミとの恋模様
……不思議。
今まで仲が良い男友達なんてそんなにいなかったから。
ここまで心を開けたことが不思議でたまらない。
それもあの桐谷 爽にだなんて。
「さ、帰るか」
最後に優しくあたしの頭をポンポンッとしてから、爽はカバンを持って立ち上がる。
そして“んーっ”と大きく伸びをして見せた。
「あ、言い忘れてたけど」
クルッと振り返った爽は、真剣な顔でマジマジとあたしを見て来た。
そして続けて口を開く。
「小夏のスッピン、俺は結構好きかも」
「……えっ!?」
驚いたように目を見開く。
爽はそれだけ言うと、プイと前を向いてスタスタと歩き出した。
なんだか耳が赤いような気がしたのは、あたしの気のせいかな……?
「な、なんで爽があたしのスッピンを知ってるの?」
高校に入ってからは、一度もスッピンで学校に行ったことはないハズなのに。