クールなキミとの恋模様


「そうやって惑わせて……平気で俺の部屋に来たりして。なんなんだよ、マジで」



冷たい瞳の奥に、切なげな色が見て取れる。



切なくて、悲しい色。


それを見て、ギュッと胸が締め付けられた。



冷たいオーラを放っているくせに、なんでそんなに悲しそうな顔をするの……?



「な、何か勘違いしてるみたいだけど……」



「勘違い!?一緒にいたのに笑わせんなよ」



フンッとバカにしたように鼻で笑う爽の瞳は、やっぱり切なげで。



「…………っ」



凄まじいほどのそのオーラに、恐怖で身がすくんで何も言えなくなった。



な、なんで……?


あたし、何もしてないのに。



ジリジリ滲み寄って来る爽に、思わず後ずさる。



すると背中に壁がトンッと当たった。



「マジで……なんなんだよ?お前」



顔のすぐ横の壁に手を付いて、耳元に唇を寄せて来る爽の切なげな声を聞いて、恐怖で身がすくんでいたハズなのにドキドキが止まらない。


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