クールなキミとの恋模様
桐谷はそれ以上なにも言わなかった。
ついて来るなとも、ついて来ていいともなにも。
だからあたしは無言でついて行った。
きちんと描かないと成績に響くし、ただでさえテストの点数も悪いから、ここで稼いでおかなきゃ。
やって来たのは、今は使われていない空き教室。
ズカズカと入った桐谷に対し、あたしは恐る恐るためらいがちに足を踏み入れた。
「ちょっと!寝ないでよ!顔が見えないでしょ」
机に伏せた桐谷に思わず突っ込む。
ミルクティー色の髪の毛が、窓から入って来る風になびいて揺れる。
シャンプーの匂いなのか、爽やかないい匂いがして不覚にもドキッとしてしまった。