クールなキミとの恋模様

「好きなんだろ？あいつのこと」



バカにしたような口調で、桐谷はまだ笑っている。


まるで心の中が見透かされているようで、居心地が悪い。



最悪だ。


よりによって、なんで桐谷に……。



「いい加減、白状しろよ」


「好きなんかじゃない……っ！そんなわけないでしょ」


「見え透いたうそついてんじゃねーよ」


「なっ……ちがうもん！うそじゃない」



あたしは手と首をブンブン振って否定した。



っていうか、本当にありえないし。


なんでこんな奴に知られなきゃなんないのよ。


「素直じゃねーな、マジで」


「ほ、ほんとに好きじゃないもん……」


「そんなに認めたくねーんだ？」



当たり前でしょ。


桐谷に知られるなんて、ありえないよ。


それに……。


あたしはもう、しんちゃんのことなんて好きじゃない。


好きじゃない……。



好きじゃ……ないんだ。