クールなキミとの恋模様


「行くぞ」



スッと離れたかと思えば、今度は爽の手があたしの指をさらって行く。



わわ、また、手がっ……!


……繋がれてる。



強くギュッと握られて、離してくれる様子はない。



無言のまま引っ張られるようにして足を動かした。



ねぇ


そんなことされたら期待しちゃうよ?



あたしのことを好きなんじゃないかって。



だけど、それ以上確かめることは出来なくて。



夕焼け空の中、爽のキリッとした横顔をちらちら窺いながら歩いた。



< 292 / 383 >

この作品をシェア

pagetop