クールなキミとの恋模様
緊張しながらお店のドアを開けると、涼しい冷気が火照った体を包み込んでくれた。
す、涼しい……!
生き返るよー。
「いらっしゃいませ」
店員さんの声が聞こえたけど、ケーキのショーウィンドウよりも、店内を先にぐるりと見回した。
い、いない、よね……?
だって……あんまりお店に来たがってなかったし。
そう思いながらも、いてほしいと強く願ってしまう。
もう少しで全体を確認し終えるというところで、見慣れたミルクティー色の髪の毛が目に飛び込んで来た。
爽はいつもの無愛想な感じではなく、誰かと一緒に来てるのか目の前の相手に微笑みかけている。
「ウ、ウソ」
い、いた……!