クールなキミとの恋模様


「あ、あたしは……しんちゃんのことなんて好きじゃないから、桐谷の彼女のフリなんかしないよ」



そう言った後、鉛筆を握ってスケッチブックに向かった。



何事もなかったように、黙々とデッサンに取りかかる。


ムシムシ。


何を言われても気にしない。


気にしたら負ける。


「じゃあ、俺は授業が終わったらソッコーあいつのクラスに行くとするか」


「……っ」



スルースルー。


反応しちゃダメ。


放っておけば、そのうち諦めてくれるでしょ。



「どうしても嫌だっつーなら、スケッチに付き合ってやんねーし」



そう言って立ち上がった桐谷は、教室を出て行こうとした。



「そ、そんなっ……!脅すつもり?」



最低!


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