クールなキミとの恋模様


「昔のなつが戻って来たって感じだな。うん、そっちの方がいいよ」



しんちゃんはスッと目を細めながら、あたしの大好きだった笑顔を見せた。



もう、胸がキュンとすることはない。



そう言ってもらえて嬉しい気持ちだけが溢れて来た。



良かった、思い切ってみて。


そう思えた。



自分にウソをつくのをやめると決めた時、自然とこうしたいと思えた。



明るいブラウンだった髪を黒く染め直して、背中まであったのを肩ぐらいまでバッサリ切った。



メイクもナチュラルに変えて、女の子らしく今日はワンピースを着てみた。



もう何事からも逃げないっていう、あたしの固い決心そのもの。



髪をバッサリ切ったせいでスースーするけど、頭が軽くなって逆に良かったと思えた。


< 329 / 383 >

この作品をシェア

pagetop