クールなキミとの恋模様
「昔のなつが戻って来たって感じだな。うん、そっちの方がいいよ」
しんちゃんはスッと目を細めながら、あたしの大好きだった笑顔を見せた。
もう、胸がキュンとすることはない。
そう言ってもらえて嬉しい気持ちだけが溢れて来た。
良かった、思い切ってみて。
そう思えた。
自分にウソをつくのをやめると決めた時、自然とこうしたいと思えた。
明るいブラウンだった髪を黒く染め直して、背中まであったのを肩ぐらいまでバッサリ切った。
メイクもナチュラルに変えて、女の子らしく今日はワンピースを着てみた。
もう何事からも逃げないっていう、あたしの固い決心そのもの。
髪をバッサリ切ったせいでスースーするけど、頭が軽くなって逆に良かったと思えた。