クールなキミとの恋模様
急に強くなんかなれなくて、変わろうと思ってもすぐにはムリで。
こんな風に勇気を出して動いた結果、それが積み重なって変わっていけるんじゃないかと思った。
変わりたいから動く。
きっとそれが、一番の近道。
「ほら、早く行こう!もう、みんな来てるかもっ!」
まだ申し訳なさそうな顔をするしんちゃんの手をグイッと引っ張った。
そして体育館まで一目散に走る。
「お、来たな。ウワサの夫婦が」
体育館の玄関口で、クラスでおちゃらけキャラだった小出君が出迎えてくれた。
「ウ、ウワサの夫婦……?なにそれ」
小学生の頃よりもすっかり男に成長した小出君は、自慢の八重歯を覗かせてイタズラに笑った。
「お前ら、付き合ってんじゃねぇの?」
「えっ……?」
訊き返すと、当たり前のようにそう言われてしまい唖然とする。