クールなキミとの恋模様
無造作に整えられたミルクティー色の髪がふわふわ揺れる。
桐谷の笑顔は、無愛想な時と違って取っつきやすく見えた。
ま、悪魔には変わりないけど。
「桐谷のせいで恨まれたら、どうしてくれんのよ!」
どうにかして、彼女のフリをするなんて事態を取り下げてもらわなきゃ。
ここでなんとかしなきゃ、桐谷の思うツボだよ。
「そん時は運命だと思って諦めろよ」
「は、はぁ!?」
なんで桐谷の為に人生を諦めなきゃなんないのよ!
ふざけるなっ!
「けどまぁ、危ない時は全力で守ってやるよ」
「いい。遠慮しとく」
だってなんのメリットもないし。
「好きでもない人と、たとえフリでも付き合うなんて嫌だし」
彼女のフリを出来るほど、そんなに器用でもない。