クールなキミとの恋模様


無造作に整えられたミルクティー色の髪がふわふわ揺れる。


桐谷の笑顔は、無愛想な時と違って取っつきやすく見えた。


ま、悪魔には変わりないけど。



「桐谷のせいで恨まれたら、どうしてくれんのよ!」


どうにかして、彼女のフリをするなんて事態を取り下げてもらわなきゃ。


ここでなんとかしなきゃ、桐谷の思うツボだよ。



「そん時は運命だと思って諦めろよ」



「は、はぁ!?」



なんで桐谷の為に人生を諦めなきゃなんないのよ!


ふざけるなっ!



「けどまぁ、危ない時は全力で守ってやるよ」



「いい。遠慮しとく」



だってなんのメリットもないし。



「好きでもない人と、たとえフリでも付き合うなんて嫌だし」



彼女のフリを出来るほど、そんなに器用でもない。


< 34 / 383 >

この作品をシェア

pagetop