クールなキミとの恋模様
群がる女子に目を向ける。
朝から元気だよね。
面倒なことにだけはならないでほしいから、特に言い返したりはしない。
人の噂も七十五日って言うし、ほとぼりが冷めるまでのガマンだ。
こうなった根源でもある隣の席の桐谷の机をジッと睨みつける。
桐谷の席は窓際の一番後ろで、あたしはその隣に座っている。
まだ登校していない桐谷。
いつもギリギリに来るから、今日も遅いんだろう。
同じ教室にいても、挨拶を交わすぐらいで特に話したりはしない。
フリをしてるだけだし、元々共通点もないから話す話題がないっていうのが一番の理由。
それに教室にいても、桐谷はいつもふて寝してるだけで、まともに授業を受ける姿なんて見たことがない。
特に話しかける必要性も感じないけど、桐谷のせいでこんな目に遭ってるんだからモンクのひとつでも言ってやりたいよ。
あー、ほんとムカつく。
やだやだ。