クールなキミとの恋模様
うぜえ。
……マジで。
ただでさえうるせえのに、弱味を握られたなんてマジでありえねぇ。
……くそっ。
なんなんだよ、マジで。
清楚なネコの皮を被りやがって。
雫の本性を知るヤツは、中学でも多分そんなにいない。
おそらく、今の高校でも。
知ってんのは、俺と勇介ぐらいか?
タラシの勇介も、雫にだけは近付こうとしない。
「ちょっと!ボサッとしてないで早く席取ってよ」
「ちっ」
思わず舌打ちすると、雫は見た目からは想像もつかないくらいの怖い顔で、俺を睨んだ。
「もう付き合ってあげないよ?」
……うぐっ。
「ス……スミマセンデシタ……ッ」
カタコトで言う俺に不服そうだったけど、雫は何も言わずに空いた席に着いた。