クールなキミとの恋模様


「ってか前から思ってたんだけど、真央って桐谷のことが好きなの?」



「うーん、そういうわけじゃないけどぉ。憧れ?っていうかぁ。イケメンが好きなだけだよぉ」



真央のこのわざとやってるわけじゃない話し方にはもう慣れた。


あたしがやったら鳥肌ものだろうけど、キュートな真央だから許されちゃう。



憧れ、ね。


イケメンが好きなのはまぁ理解できるとして、桐谷がその部類に入っているかというと疑問が残る。


クールで無愛想。ニコリともしない彼は表情が乏しく、いつもムスッとしているように見えてなんとなく近寄りにくい。


あたしのタイプは……もっとこう。



「あーっ!噂をすれば!」



なんて思っていると、突然真央が大きな声を出して目を輝かせ始めた。



「桐谷君率いるイケメングループ発っっ見!」



学食の入口付近まで来ると、そこはいつものように多くの生徒で溢れ返っていた。



その中に見える色とりどりの頭髪をした彼らは、周りの生徒とは明らかに違って人の視線を惹き付けている。


< 5 / 383 >

この作品をシェア

pagetop