クールなキミとの恋模様
「ってか前から思ってたんだけど、真央って桐谷のことが好きなの?」
「うーん、そういうわけじゃないけどぉ。憧れ?っていうかぁ。イケメンが好きなだけだよぉ」
真央のこのわざとやってるわけじゃない話し方にはもう慣れた。
あたしがやったら鳥肌ものだろうけど、キュートな真央だから許されちゃう。
憧れ、ね。
イケメンが好きなのはまぁ理解できるとして、桐谷がその部類に入っているかというと疑問が残る。
クールで無愛想。ニコリともしない彼は表情が乏しく、いつもムスッとしているように見えてなんとなく近寄りにくい。
あたしのタイプは……もっとこう。
「あーっ!噂をすれば!」
なんて思っていると、突然真央が大きな声を出して目を輝かせ始めた。
「桐谷君率いるイケメングループ発っっ見!」
学食の入口付近まで来ると、そこはいつものように多くの生徒で溢れ返っていた。
その中に見える色とりどりの頭髪をした彼らは、周りの生徒とは明らかに違って人の視線を惹き付けている。