クールなキミとの恋模様
「履き替えろよ」
パッと腕を離されたかと思うと、冷たくそう言われて渋々従う。
な、なによ。
なんなのよ!
上靴からローファーに履き替えると、桐谷はあたしに背を向けてスタスタと歩き出した。
な、なに……?
付いて来いってこと?
一緒に帰ろうってこと?
いやいや、桐谷がそんなことを考えるなんてありえない。
一体なんなのよ!
どうしたらいいのかわからずに、その場に立ち尽くす。
すると、桐谷がダルそうにクルッとこっちを振り返った。
「さっさと来いよ」
えっ……!?
や、やっぱり
一緒に帰らなきゃダメなの……?
っていうか、それならそう言えっつーの!
無言で歩いて行かれると、どうしたらいいのかわかんないじゃん。