クールなキミとの恋模様


男好きだと噂されるのは、彼らにこんな反応をする真央のせいかもしれないと最近思い始めた。



真央が騒ぐから、一緒にいるあたし達も……みたいな。


ま、いいんだけどね……。


周りからどう思われようと、あたしはあたしだもん。


あたしらしくしていればいい。



「ほら、行くよ!ただでさえ席が空いてないのに、今日はもっと激しい争奪戦になるんだからね!」



真央の手を引っ張りながら、彼らの周りを取り囲む女子の集団を見てげんなりとした気持ちになる。


桐谷は騒ぎ立てる女子には目もくれず、無表情にスマホを操作している。



どこがいいんだかねー、あんな無愛想な奴の。


「小夏、食券お願いできる?あたし、席を確保してくる!」


「ラジャー!なに食べる?」


「B定食!」


奈子は人混みをかき分けて席を探しに行ってしまった。


桐谷率いる彼らが学食に来ると、どこから噂が広まるのか、女子が集まってきていつも以上に中が混むのだ。



だから


なんとしてでも席を確保してお昼を食べねば!


人気のあるメニューはすぐに売り切れちゃうし、美味しいと評判の学食だから利用してる生徒も多い。



「真央は何にする?」



「んーっとぉ、真央はオムライス!」



「あたしはどうしようかな」


昨日はエビフライ定食だったし、今日はあっさりめのキツネうどん定食でもいい気がする。


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