クールなキミとの恋模様
「あと、アイスココア。お前は?飲み物」
あたしの声には耳をかさず、爽は店員さんに無愛想にそう告げて。
返事を求めるようにあたしを見た。
「え?いや、あの……」
えー?
勝手に注文されても困るっていうか。
ど、どうしよう。
お金がないなんて言えないし……。
「あたしは、水で……!」
だから、せめてそう言うしかなかった。
「ココア飲める?」
だけどなぜか爽にそう聞き返されて、ワケがわからなかったあたしは“うん”と素直に頷いた。
「アイスココア2つで」
「かしこまりました。お席でお待ち下さいませ」
爽と店員さんのやり取りを、ポカンと眺めることしか出来ないあたし。
爽はお会計を済まさずに、スタスタと歩いて空いている席に向かった。