クールなキミとの恋模様


ヘラリと笑いながらあたしを見た井瀬は、何事もないように平然としている。



肩や首に回された井瀬の腕の温もりに、思わず背筋に悪寒が走る。



コ、コイツ……。


見た目通りかなり軽い。


っていうか、かなり慣れてる。



「ちょ……やめてよねっ!」



そんな井瀬の手を引き剥がそうと、必死になって身をよじった。



「照れることないじゃん〜」



「照れてない!あんたに照れるとかありえないし!」



むしろ鳥肌モンなんだけど。



「ってか、マジで離せ!」



キツく掴まれているせいか、引き剥がせなくてうっとおしい。



そうこうしている内に、クラスメートがちらほらとあたし達に向かって視線を向け始めた。


< 99 / 383 >

この作品をシェア

pagetop