クールなキミとの恋模様
ヘラリと笑いながらあたしを見た井瀬は、何事もないように平然としている。
肩や首に回された井瀬の腕の温もりに、思わず背筋に悪寒が走る。
コ、コイツ……。
見た目通りかなり軽い。
っていうか、かなり慣れてる。
「ちょ……やめてよねっ!」
そんな井瀬の手を引き剥がそうと、必死になって身をよじった。
「照れることないじゃん〜」
「照れてない!あんたに照れるとかありえないし!」
むしろ鳥肌モンなんだけど。
「ってか、マジで離せ!」
キツく掴まれているせいか、引き剥がせなくてうっとおしい。
そうこうしている内に、クラスメートがちらほらとあたし達に向かって視線を向け始めた。