方言男子に恋をした
2.日常ではありません
新しい課長の話を聞いたその日の夜。
私は都内でも有名なホテルのレストランにいた。
「本当にいいの?ここ凄く高いんじゃないの?」
「大丈夫だって!無理なら最初から誘わないから」
「確かにそうよね」
私がクスクス笑うと目の前の男は「だから気にしないで」と言った。
「本当優しいね、祐介は」
「俺達家族なんだから当たり前だろ?」
祐介は私の3歳下の弟だ。
決して彼氏ではない。
あまり似ていないから、よく恋人に間違えられるけど。
祐介には可愛い彼女がいるしいい迷惑だろう。
「それで相談って何?」
「ん?あぁ」
今回何故呼び出されたかというと、祐介が相談したいことがあると言ったからだ。
何もこんな有名ホテルじゃなくて良かったのに…。
そう思いつつも滅多にお目にかかれない美味しそうな食事に、自然とお腹が空いてくる。
食事の方に意識が取られて、本題を忘れそうだ。