方言男子に恋をした
「お隣いいですか?」


周囲をボーッと見ていると、急に声をかけられた。
驚きながらも声をかけられた方を見ると、スーツを着こなしている落ち着いた雰囲気の男性が立っていた。


「あ、どうぞ」


断る理由もなく、男性の問いかけに答えた。
男性は席に座り、私の知らない飲み物を頼んだ。

…この人近くで見たら、案外若く見えるわね。
私と同じぐらい?

というか、普通にかっこいい…。
これは横にいて、はたして私の心臓は持つのだろうか。
そう不安になりながらも、ついその人を見てしまった。

きりっとした目に日本人にしては高めの鼻。
何より印象的だったのは黒色の、平沼君とは違うふわふわとした髪の毛だった。


「あの」

「は、はい」


見てたのバレていましたよね…。
あー…恥ずかしい。


「よくここに通ってはるんですか?」


しかし男性はそんな私のことは気にしておらず、予想もしていなかった質問をした。


「あ、いえ…実はここに来るのは初めてでして」
< 14 / 60 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop