方言男子に恋をした
「うわ、とってもイケメンな上司じゃないですか!」

「ちょっと若すぎないか?」

「いくつなんでしょうね?」


自分たちの上司になる人を見た社内広報課メンバーは口々に呟いた。

その言葉に返事してあげたかった。
しかし今の私には出来なかった。

一夜を過ごした相手が上司で一緒に仕事するとか…。
並大抵の精神じゃやっていけないわ。

さて、どうしたものか…。

しかし悩んでいても、古川部長は待ってくれない。
さっさと朝礼を終わらせ、業務に入るよう指示を出したのだ。

当然あの男性…佐久間課長もこちらへやって来るわけで。


「おはようございます」


やんわりとした話し方に、控えめな微笑み。
昨日見たまんまだ。


「先程、部長からもあったように関西支社から参りました佐久間仁です。広報部署は関西の方でも経験はありますが、こちらとは違うでしょうし色々と教えていただけたら幸いです」


部下に対して敬語、そして関西支社から来た人にしては標準語のイントネーション。

社内広報課メンバーは、少し緊張した顔で簡単に自己紹介をしていく。
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