方言男子に恋をした
4.容赦ないですね
早速仕事が始まった。
まずは昨日やった社内報の内容確認。
月に一回という早いペースなので、テンポ良く進みたい。
加えて内容確認の時点でつまずくのは避けたいところ。
だがしかし。
「…ダメですね」
社内報の内容を見た佐久間課長はボツという判断を下した。
確かにグダグダ感で終わってしまったし、どこかはダメ出しをされるだろうと思っていたけど。
「表紙から何を伝えたいのか分かりません」
…まさか表紙からダメ出しをされるとは思ってもいなかった。
私を含めた社内課メンバーが表情を険しくする中、佐久間課長は容赦なく記事に対してダメ出しをしていく。
そのダメ出しが的確過ぎて、何の言葉も出ない。
数ページの企画にダメ出しをしながら読み終えた佐久間課長。
それはそれは困ったような、呆れたようなよく分からない顔をしていた。
そして社内課メンバーをじっと見て、
「一からやり直して下さい」
と言った。
「嘘…」
「嘘ではありません」
佐久間課長は美宇ちゃんの呟きを容赦なく否定した。
しかも無表情で。