方言男子に恋をした
「さて…松田先輩、どうしますか」
平沼君が過去の社内報をパラパラとしながら、私に問いかける。
「今までにないもの…ってことですかね?」
小林君が苦笑しながら、私に問いかける。
「なんですかあの人は!イケメンだとか言った私がバカでした!確かにイケメンではありますけど‼︎」
美宇ちゃんが抑えながらも、なかなか大きな声で文句を言う。
そんな社内課メンバーに対して、私は「そうねー…」としか言えなかった。
意気揚々とやって来たのはいいものの、いざ考えるとなると頭は真っ白。
上手い具合に佐久間課長にヤル気にさせられたけど、あの時は勢いだけだったから考えがないのは当たり前かもしれない。
しかも私が勝手に出来るとか言って連れて来てしまったわけで。
急に何か良い案を出せと言われた後輩達は、私以上に考えがないかもしれない。
ごめんよ皆…。
でもあの場では、ああ言うしかなかったのよ…。
言い訳にしか聞こえない謝罪の言葉を心の中で呟いていると、目の前に座って苦笑していた小林君が「あ」と言った。