方言男子に恋をした
「あの、あることに気付いたんですけど」

「どうしたの?」

「社内報の内容は確かに大事だとは思いますが、全体的なレイアウトなどといったところから修正した方がいいんじゃないでしょうか。内容から読んでくれる人もいますが、見た目から入る人もいるでしょうし…」


全体的なレイアウト…。

そう言われて平沼君がパラパラとめくっていた過去の社内報を見てみる。


「…地味ですよねー」


同じく過去の社内報を見た美宇ちゃんが、私の思ったことを代弁してくれた。

その言葉に平沼君も頷く。

過去の社内報を改めて見返すことがあまりなかったため、中々気付かなかったが地味に加えてどれも同じように見える。

内容が少しばかり違うだけで、あとは同じ。
これでは、見た目から入る人は読んでくれないかもしれない。


「読んでもらえなかったら、社内報の意味がないわね…」


そう考えると小林君の言う通り、内容はさておき全体的なレイアウトから考えるべきかもしれない。


「そういえば経理の友達が、あまり社内報を読まないって言ってました」

「時間がないとかじゃなくてか?」


平沼君の問いに、美宇ちゃんは首を横に振る。
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