方言男子に恋をした
「私が?」

「他に誰がいるっていうんです?さっきも言っていたじゃないですか」


さっきは本当に勢いというか、場のノリと雰囲気で言ったといいますか!

もう一回行って来いと言われれば、一番に逃げ出したいぐらいよ。


「松田先輩ならいけますよ!一度出来たら次も出来ます」


平沼君…何を根拠におっしゃってるのかしら?

そう言いたい気持ちをグッと我慢し、小林君に視線を移す。
小林君は苦笑いしながら、目でお願いしますと言ってきたのだった。

そして頭の中ではもう一人の私が、「仕方ない」と背中を押している。

…孤立無援状態じゃありませんか。

学生の頃、授業で習った四字熟語が現実に自分の身におこるとは。

どうすればいいのやら…。
やっぱり私が直談判しに行くべき?
一応課内で先輩だし、一応リーダーみたいなポジションにはいるし。

しかしなー…いや、仕事と思い込むのよ私!
仕事に私情は挟むべきじゃない‼︎

そう自分を励まして、直談判すると言おうとした時。
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