方言男子に恋をした
私が勤めるのは雑貨を主に販売する会社。
会社名は『彩 -irodori-』。
創業者でもある今の社長が、生活に彩りを添えられるようにという願いを込めて名付けたらしい。
大企業でもないし20年ほど前に創業された会社だが、売れ行きは好調だし全国に店舗も増えている。
誰から見ても安定している会社だろう。
そんな会社の広報部社内広報課に私は所属している。
主に月に一度発行する社内報の作成、webやsnsにおいて社内活動や新商品など様々な情報の発信を仕事としている。web更新などは本来、社外広報課担当だったがつい最近になって社内担当となった。
人数が少ないのによく仕事を回してくれたものだ。
社外広報課は10人を超えているのに対して、私たち社内広報課は課長を含めて5人。
しかも課長は緊急入院だとかで実質4人。
今までギリギリで回していたのに、課長が不在の今同じ量の仕事をこなせとか。
無理に決まっているでしょ!
人事部もちょっとは考えなさいよ!
こんな事態に対して、小林君を除く二人は「大丈夫」と言うけど。
…どこからそんな自信がくるのよ!
課長が不在で、年齢・経験的に上という理由で社内広報課の責任者をやっている私に少し分けていただきたいものだ。