方言男子に恋をした
とにかく。

文句を言っている場合ではない。
仕事よ仕事!

次号の社内報の打ち合わせに入らなければならない。
まあいつも打ち合わせという名のお喋りタイムになり目新しい案が出るわけもなく、毎号あまり変わらないネタでいくんだけど。

広報部のフロアの一角が社内広報課であり、一つの机に皆がイスを持って集まってくる。

会社の会議というよりは、学生がちょっとした話し合いをするみたいだ。


「皆さんお知らせです」


第一声は私ではなく美宇ちゃんだった。
何気に情報通な美宇ちゃんは、こういった時にポロリと言う。
しかしあまり驚く内容ではないため、


「何だー広瀬ー」

「今課長が不在じゃないですか」

「そうですね」


このように平沼君と小林君が適当ながらも相槌を打っている。

私はというと、話を聞きつつ先月号をパラパラ見ていた。

そろそろ本格的にテーマとか変更したほうがいいわよね…。
課長が戻ってきた時に何て言われることやら。


「実は課長退職されるそうです」


へー課長退職されるのね…て、はい?


『えぇ!?』


広報部フロアに3人の叫び声が響いた。部長に睨まれたのは…仕方ない。
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