方言男子に恋をした
「誰がそんな話してたんだ？やっぱり社長とかか？」


平沼君がより小さい声で美宇ちゃんに聞いた。
美宇ちゃんも平沼君に合わせて、さっきよりも声量を落とした。


「社長と広報部長ですよ。やっと決まっただとか言ってましたね」

「そりゃ関西支社から呼ぶぐらいだからな…それだけ本社には引き受けてくれる人がいなかったってことだろ」


平沼君の言葉に私を含めた3人は苦笑した。
同じ課長でも社内広報課はちょっと…と思う人が多いのだろう。

直接商品開発に関わるわけでもないし、同じ広報部でも社外広報課みたいな派手さもない。
地味だし、その割りに仕事量多いわ結構残業あるわの一番厄介で避けたい課だと思う。

たとえ課長になれなくても、元の部署で仕事したいだろう。

とにかく、本社の人達は快く社内広報課の課長を引き受けてくれず、遠い関西支社の佐久間さんが引き受けてくれたのだ。

人数が増える。
どうであれ、感謝しないと。
< 6 / 60 >
表紙・目次

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop