方言男子に恋をした
「いついらっしゃるとかは聞いてないんですか?」

「ちょうどその話の時に足音が聞こえてねー…思わず逃げちゃいました」

「タイミング悪りーな」

「本当にね」

平沼君に同意すると、美宇ちゃんは「そんな文句言わないで下さいよ!」と言って拗ねてしまった。

…可愛いな。

そうやって拗ねるところが可愛く思えるのは、若いってことがあるからなんだろう。

あぁ気付けば、40歳とかになってるのかな…。

そう思いながら一人落ち込む私に、


「今回の社内報、社内広報課の新課長を是非とも入れるか」

「当たり前ですよ。課内の人間なら、多少焦らせても大丈夫ですし」


平沼君と美宇ちゃんは先々と話を進めている。

課長不在の今、一応リーダーは私なんですけど。


「松田先輩?」

「あ、大丈夫よ」


小林君は少し微笑んで「良かったです」と言った。
その微笑みにつられてこちらも微笑んだ。

小林君の存在がなかったら、私は今ここにいなかったかもしれない。
それぐらい癒される…。
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