大好きな君へ。
「実は優香に謝らなければならないことがある。僕はバイクで……」
「やっぱり一人で来たのね。だろうと思ってた」
「えっ!? 気付いていたの?」
「栗尾バス停の先でね。『此方でしょ』って言ったら、『そっちは違うよ。優香も同じ間違いするんだな』って言ったでしょう。これは前に来ているなって、ピンときたの」
全く優香には敵わない。
僕は仕方なく、バイクのエンストやパンクの話しをする羽目になった。
優香は大笑いをしながら聞いていた。
「優香は何でもお見通しなんだな」
「そうよ、隼のことなら何でも解る。だって大好きなんだもん」
「じゃあ僕の悩みも?」
「勿論よ。就職のことでしょう?」
「僕はこれから地方公務員の試験を受ける。本当は悩んでいるけど、今しか出来ないことだからね。後悔したくないし……」
「そうね。それだけは遣っておいた方が良いわね」
「中学でソフトテニスの指導員になるためには地方公務員試験を通っておかなければいけないんだ。でもテニスだったら彼処でも……」
「あの時どう思った? ほら、夏休みのソフトテニスのインストラクターしたでしょう」
「ああ、あの時は事務で正解だったかなって思った。だってあの娘達からかうんだもん」
「答えはもう出ているじゃない」
「えっ!?」
「それともピチピチギャルに又囲まれたい?」
「うえー、それだけはイヤだ」
「だったら、お父様のサポートしたら。勿論後々のために地方公務員の試験も受けておくのよ」
「そうだよね。やっぱり優香は魔法使いだな。僕の内面を見て鋭い指摘をくれる」
「何言ってるの。私はただ引き留めたいだけなのかも知れない。本当はね、隼が又芸能界に復帰するのじゃないかってドキドキしてる」
「そんなことは有り得ない。だって、たとえ前貼りをしていても優香以外の女性と触れ合うのはイヤだよ」
「それは私もイヤだ。全く隼ったら厭らしい。ベッドシーンばかり思い浮かべていたんでしょ。私、そんなこと考えてもいなかったのに」
優香は突然泣き出した。
「悪かった」
固く握り合う手を更にきつく握る。
「これで、浮気封じ出来た」
優香が舌を出した。
「だってー、優香がお預けなんて言うからだよ」
「私のせいにしないの」
「ごめん。もうしません」
僕は照れ隠しに笑って誤魔化した。
「やっぱり一人で来たのね。だろうと思ってた」
「えっ!? 気付いていたの?」
「栗尾バス停の先でね。『此方でしょ』って言ったら、『そっちは違うよ。優香も同じ間違いするんだな』って言ったでしょう。これは前に来ているなって、ピンときたの」
全く優香には敵わない。
僕は仕方なく、バイクのエンストやパンクの話しをする羽目になった。
優香は大笑いをしながら聞いていた。
「優香は何でもお見通しなんだな」
「そうよ、隼のことなら何でも解る。だって大好きなんだもん」
「じゃあ僕の悩みも?」
「勿論よ。就職のことでしょう?」
「僕はこれから地方公務員の試験を受ける。本当は悩んでいるけど、今しか出来ないことだからね。後悔したくないし……」
「そうね。それだけは遣っておいた方が良いわね」
「中学でソフトテニスの指導員になるためには地方公務員試験を通っておかなければいけないんだ。でもテニスだったら彼処でも……」
「あの時どう思った? ほら、夏休みのソフトテニスのインストラクターしたでしょう」
「ああ、あの時は事務で正解だったかなって思った。だってあの娘達からかうんだもん」
「答えはもう出ているじゃない」
「えっ!?」
「それともピチピチギャルに又囲まれたい?」
「うえー、それだけはイヤだ」
「だったら、お父様のサポートしたら。勿論後々のために地方公務員の試験も受けておくのよ」
「そうだよね。やっぱり優香は魔法使いだな。僕の内面を見て鋭い指摘をくれる」
「何言ってるの。私はただ引き留めたいだけなのかも知れない。本当はね、隼が又芸能界に復帰するのじゃないかってドキドキしてる」
「そんなことは有り得ない。だって、たとえ前貼りをしていても優香以外の女性と触れ合うのはイヤだよ」
「それは私もイヤだ。全く隼ったら厭らしい。ベッドシーンばかり思い浮かべていたんでしょ。私、そんなこと考えてもいなかったのに」
優香は突然泣き出した。
「悪かった」
固く握り合う手を更にきつく握る。
「これで、浮気封じ出来た」
優香が舌を出した。
「だってー、優香がお預けなんて言うからだよ」
「私のせいにしないの」
「ごめん。もうしません」
僕は照れ隠しに笑って誤魔化した。