お山のてっぺん。
ニライカナイのお昼

迷子になった。


その事実に気づいたとたん、どっと疲労が押し寄せた。
まるで重力が一辺に降ってきたみたいに、体が重くなる。


俺は正真正銘の方向音痴だ。

前の学校でも音痴音痴とバカにされ、罵られてきた。
俺の印象といえば方向音痴と即答されるレベル。

今日転校してきた知らない学校、という悪条件を差し引いても尋常じゃない迷い方をしている。


朝来た職員室がわからないのだ。


登校日である今日の朝に来るはずだった教材が、二時間目あたりにきたため――昼休みに来てほしい。

そう担任の城戸に言われたため、職員室を訪ねようとしている訳だけど。



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