お山のてっぺん。

「名前は?」

「はい?」

「お前の名前」


よく考えたら名前も知らない。

なんだか彼女が知りたくなって、名前を訪ねてみた。



「知らないの?」



なぜか疑問で返される。

コイツ、日本語知らないのか?

質問に答えることくらい覚えろ。


心の中で毒づきながら、彼女の返答を待つ。




「白龍雪花。雪に花でセッカよ」




とても美しい返答だった。
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