お山のてっぺん。


「…そ、か。綺麗な名前だな」



白龍は俺の誉め言葉を無視して、また元いた席に座る。

そしてまたお弁当を広げ始めた。


「話さないでくれる?」

「へ?」

「私が会議室で食べてるってこと」


お箸を取り出しながら、ボッチを隠す発言。


「あー…わかった」

「あと、ここを右に曲がって突き当たりを左にいけば、職員室前につくわ」

ご丁寧に言ってもない職員室の行き方まで教えてくれた。

「……城戸が言ってるの、聞いてたから」

「なるほど」

若干照れたみたいな彼女が、なんだか可愛らしくて。


いいやつなのかもしれない、と思ってしまった。
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