お山のてっぺん。



そして。


「………」


あんぐりと口を開けている彼女がいた。

まるで、人が来たのが信じられない、というように。



「なっ…」



口から渇いた息のついでに、小さく言葉を漏らす彼女。



もちろん俺は知っていた。



同じクラス兼同じ学年。

名前は知らない。

けど、異端なその存在は知っている。


それが俺に取っての彼女だった。



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