お山のてっぺん。
◇◇◇
『転校生の弓矢伊丹くんは、そこの席にお願いします』
今朝、そう言われて案内された席。
一番後ろの窓際。
周りの絡み付く視線を掻い潜りながら、そこに移動する。
そして、その隣の席に彼女はいた。
『……っ』
目を見張るほどの美女に、目が離せなくなる。
しかし、彼女は俺を見向きもせずに窓ばかりを眺める。
『あの、どうも』
『……』
結構勇気を振り絞って挨拶したのに、無視された。
……性格は悪そうだな。