お山のてっぺん。


光を全部吸収し、七色に輝くミディアムの白髪。

タンザナイトのような青色の瞳が、水晶の如く透き通った肌に栄える。


外国人かどうか聞こうとして、やめた。


「……っ」


視線が、ぶつからないから。

窓ばかり見ているせいで、けっして交わらないのだ。


そうなると話しかけるのを躊躇ってしまう。




隣なのに名前すら知らない。


それが、彼女と俺との関係だった。
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