お山のてっぺん。

◇◇◇


普通の教室に、不似合いな長い机が置かれてる。

会議室の言葉が似合う空間に、男女が二人。


「……」

「……」


微妙な沈黙が流れた。


彼女は机に色とりどりのお弁当を広げていて、箸を持ったまま呆然としていた。


彼女の表情を初めてみた気がする。

ずっと窓ばかりを見ていたから。



「あ、と」



ちょっと悩んでから、口を開いたのは俺。
< 7 / 21 >

この作品をシェア

pagetop