お山のてっぺん。


「――会議室でお弁当食うやつ、初めてみた」



言ってから後悔した。


ボッチなのだろう彼女に、あまりにも酷な事を言ってしまった。

追い討ち、って感じだ。

こういう気遣いができないなんて紳士失格。


「う、るさいわね!」


おぉ、怒りだした。

「別にボッチな訳じゃないわよ――ここ、誰もいないし迷いやすいから、色々と安全なだけ」

ガンッと机を叩いて立ち上がる。

お弁当が揺れ、なんセンチか動いたのがわかった。
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